ハート&アロー
ダイヤモンドの基礎知識
天然ダイヤモンドと定義する上で人為的手段が許されているのは研磨工程だけです。 数多くあるカット形状の中でもラウンド・ブリリアント・カットは光学的理論で最高に輝きが得られるように考案されたカットで、正しいプロポーションと丁寧なフィニッシュ(シンメトリーとポリッシュ)が施されると素晴らしい輝きが得られます。
Heart
(bottom view)
Arrow
(top view)
Heart & Arrow
(optical view)
プロポーションが数字で評価されるのに対してシンメトリー(対称性)は感覚的な基準です。 ですから、ダイヤモンドディーラーであってもその基準を理解することは困難なことであったため、ダイヤモンドからの光の反射像を調べる方法が考えられました。それが一般消費者にも理解し易く、画像を用いてシンメトリーが整っているのを見せるハート&アローに発展しました。
ハート&アローの名前の由来はパビリオン側に 8つ映し出されたハートに似たパターンとクラウン側に8本見える矢の形に似たパターンからそう呼ばれています。 このパターンの出現は、ある範囲のプロポーションとある水準以上のシンメトリーであればカット評価がEXCELLENTで無くても観察出来ます。 あくまでも視覚的な対称性を伴った現象ですが、光学的に考えてもこのパターンが出現するダイヤモンドの光学的な対称性はかなり高いと言えるでしょう。
僅かなファセット研磨の差でも画像パターンに大きく影響を与えてしまうため、ハート&アローの判定には当社独自の判定基準を設けております。
Absolute symmetrical hearts
thoroughly uniform arrows
Asymmetrical, unequal interval
Incomplete arrows, irregular facets
Irregular hearts, unequal spacing
Broken arrows, malformed shapes
Broken hearts, irregular pattern
Unrecognizable arrows